台湾旅行を計画していると、やはり気になるのが現地の治安ですよね。日本から近くて人気の旅行先ですが、実際のところどれくらい安全なのでしょうか。
夜市を楽しんだり、街歩きをしたりする予定があるなら、事前に知っておきたい情報はたくさんあります。この記事では、台湾の治安状況や旅行中に気をつけたいポイント、具体的な防犯対策まで詳しく紹介していきます。
台湾の治安は良いの?日本と比べた安全度
1. 台湾全体の治安レベルと犯罪発生率
台湾は東アジアの中でも比較的治安の良い国として知られています。凶悪犯罪の発生率は日本と同程度か、やや高い程度です。
街を歩いていても、危険な雰囲気を感じることは少ないでしょう。警察官の姿も適度に見かけますし、夜間でも明るく人通りのある場所が多いです。
ただし日本ほど「何も気にせず過ごせる」わけではありません。軽犯罪、特にスリや置き引きは観光地を中心に発生しています。日本の感覚で油断してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるのです。
2. 日本人旅行者が感じる安全性の実際
実際に台湾を訪れた日本人の多くは「思ったより安全だった」という感想を持ちます。現地の人々は親切で、道に迷っても助けてくれることが多いです。
深夜まで営業している夜市や24時間営業のコンビニも多く、夜の街も活気があります。女性一人でも夜市を楽しんでいる姿をよく見かけますよね。
とはいえ、日本と同じ感覚でいると危険です。荷物を席に置いたまま離れたり、貴重品をポケットに入れて歩いたりするのは避けた方が良いでしょう。基本的な警戒心は常に持っておくべきです。
3. 地域別の治安の違い(台北・台中・台南・高雄)
台湾の主要都市でも、地域によって治安状況は少し異なります。
| 都市 | 治安レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 台北 | 良好 | 観光客が多く警備も充実。ただしスリには注意 |
| 台中 | 良好 | 比較的落ち着いた雰囲気。夜も安心して歩ける |
| 台南 | 非常に良好 | のんびりした雰囲気で犯罪も少なめ |
| 高雄 | 良好 | 港町だが治安は安定。一部エリアは夜間注意 |
台北は観光客が集中するため、スリや置き引きの件数が他の都市より多くなっています。西門町や士林夜市など、人混みの多い場所では特に警戒が必要です。
台南は古都らしい落ち着いた雰囲気があり、地元の人も穏やかな印象を受けます。治安面でも比較的安心して過ごせる街でしょう。
台湾旅行で気をつけたい危険なポイント
1. スリや置き引きが多発するエリアと時間帯
観光客が集まる場所では、どうしてもスリや置き引きのリスクが高まります。特に注意したいのは以下のエリアです。
- 士林夜市、寧夏夜市などの人気夜市
- MRT(地下鉄)の車内や駅構内
- 台北101周辺の観光スポット
- 西門町のショッピングエリア
夕方から夜にかけて、人混みがピークになる時間帯が最も危険です。混雑している中で体がぶつかり合うような状況では、ポケットから財布が抜き取られても気づきにくいですよね。
リュックを前に抱えて歩く人が多いのは、そういった理由からです。現地の人の行動を観察すると、防犯のヒントが見えてきます。
2. 夜市や観光地でのトラブル事例
夜市は台湾旅行の楽しみの一つですが、トラブルも起きやすい場所です。食べ歩きに夢中になっているうちに、テーブルに置いたスマホが消えていたという話も聞きます。
また、値段表示がない屋台で法外な金額を請求されるケースもあります。注文前に必ず料金を確認しておくことが大切です。
人気の観光地、九份では特に混雑が激しくなります。階段や狭い路地で転倒する事故も発生しているため、足元にも注意が必要でしょう。雨の日は特に滑りやすいので、歩きやすい靴を選んでおくと安心です。
3. タクシーやバイクタクシー利用時の注意点
台湾のタクシーは基本的に安全ですが、中には悪質なドライバーもいます。メーターを使わずに高額請求してくる、わざと遠回りするといったトラブルが報告されています。
空港や観光地の客待ちタクシーは、特に注意が必要です。声をかけてくるドライバーには応じず、正規のタクシー乗り場から乗車しましょう。
配車アプリの利用がおすすめです。台湾では「台湾大車隊」や「Uber」が使えます。料金が事前に分かるうえ、ドライバー情報も記録されるため安心感があります。
バイクタクシーは便利ですが、事故のリスクもあります。ヘルメットの着用は必須ですし、荷物の落下にも気をつけたいですね。
4. 交通事故のリスクと横断時の危険性
台湾で最も注意すべきなのは、実は交通事故かもしれません。バイクの交通量が非常に多く、運転マナーも日本とは異なります。
信号が青でも油断できません。右折車両が歩行者の横を猛スピードで通り抜けていくことがあります。横断歩道を渡る際は、必ず左右を確認してから渡りましょう。
バイクは歩道にも入ってくることがあります。歩いている時も、後ろから来るバイクの音に注意を払っておくと良いでしょう。
交通ルールが緩い印象を受けるかもしれませんが、慣れてくれば対応できます。最初の数日は特に慎重に行動することをおすすめします。
台湾で実際に起きやすいトラブルの種類
1. 手口が巧妙なスリ・ひったくりの実態
台湾のスリは組織的に動いていることが多く、手口も巧妙です。一人が話しかけて注意をそらしている間に、仲間が荷物を盗むという連携プレーもあります。
MRTの車内では、降車時の混雑に紛れてポケットから財布を抜き取る手口が多発しています。ドアが閉まる直前に荷物をひったくって逃げるケースもあるのです。
カフェやレストランで、椅子の背もたれにかけたバッグが狙われることもあります。食事中は荷物を膝の上に置くか、足元に置いて足を通しておくと安全です。
観光に夢中になっていると、どうしても警戒心が薄れてしまいますよね。でも、ちょっとした心がけでほとんどの被害は防げます。
2. ぼったくりタクシーやお店での被害
メーターを使わないタクシーは、到着時に高額請求してくる可能性があります。乗車時に必ず「メーターを使ってください」と伝えましょう。中国語では「請跳錶」(チンティァオビャオ)と言います。
夜市の一部店舗では、観光客向けに値段を吊り上げているところもあります。現地の人が支払っている金額と比べて明らかに高い場合は、交渉してみるのも一つの手です。
マッサージ店でも、最初の説明と違う高額な料金を請求されるトラブルがあります。施術前に料金表を確認し、できれば写真を撮っておくと安心でしょう。
怪しいと感じたら、その場で支払わずに警察を呼ぶと伝えるのも有効です。悪質な業者は警察の介入を嫌がりますから。
3. 両替所や買い物でのトラブル
街中の両替所の中には、レートが極端に悪いところもあります。空港や銀行、ホテルでの両替が安全です。
両替後は必ずその場で金額を確認しましょう。数え間違いや、わざと少なく渡されるケースもあります。レシートも必ず受け取ってください。
買い物では、クレジットカードのスキミング被害に注意が必要です。小さな店舗では現金払いにする、カードを店員に渡さず自分でリーダーに通すなどの対策が有効でしょう。
お釣りをごまかされるトラブルも時々聞きます。大きな金額を支払う前に、自分がいくら出したか覚えておくと良いですね。
4. 食事や水による体調不良の可能性
台湾の食事は基本的に安全ですが、衛生状態が気になる店もあります。特に夜市の屋台では、食材の管理方法が店によって異なるのです。
生水は飲まない方が無難です。レストランで出される水も、できればミネラルウォーターを頼みましょう。氷にも注意が必要かもしれません。
辛い料理や油っこい料理が多いため、胃腸の弱い人は食べ過ぎに気をつけてください。現地の食事に体が慣れるまで、少しずつ試すのが賢明です。
屋台で食べる際は、人が多く回転の早い店を選ぶと比較的安心できます。食材が新鮮である可能性が高いですからね。
女性一人旅で注意すべきポイント
1. 夜間の一人歩きはどこまで大丈夫?
台北の繁華街や夜市周辺なら、23時頃までは比較的安全に歩けます。人通りが多く、店も営業しているエリアなら心配は少ないでしょう。
ただし、人気のない路地や公園は避けるべきです。明るくて人の多い大通りを選んで歩くことをおすすめします。
深夜になると状況は変わります。24時を過ぎたら、できるだけタクシーやUberを使って移動しましょう。歩いて帰るのは避けた方が良いですね。
地方都市では、台北よりも早い時間から人通りが減ります。21時以降は一人歩きを控えめにするなど、場所に応じた判断が必要です。
2. 宿泊施設選びで気をつけること
ホステルやゲストハウスは交流の場として楽しいですが、セキュリティ面では注意が必要です。個室でない場合、貴重品の管理が難しくなります。
ロッカーがある施設を選び、必ず鍵をかけて保管しましょう。南京錠は日本から持参すると良いかもしれません。
立地も重要なポイントです。駅やバス停から近く、夜でも明るい通りに面した宿を選ぶと安心感があります。口コミサイトで、女性一人でも安全だったという評価を確認しておくと参考になります。
| 確認ポイント | 理由 |
|---|---|
| セキュリティロッカーの有無 | 貴重品を安全に保管できる |
| 24時間対応のフロント | トラブル時にすぐ相談できる |
| 駅からの距離 | 深夜の帰宅も安全 |
| 女性専用フロアの有無 | より安心して過ごせる |
ホテルの部屋では、ドアチェーンやドアストッパーを活用しましょう。外出時も必ずドアロックを確認してください。
3. 声をかけられたときの対処法
観光地では、親切を装って近づいてくる人もいます。日本語で話しかけられても、すぐに信用しないことが大切です。
「写真を撮りましょうか」と声をかけられた場合、スマホやカメラを渡すのは慎重になりましょう。そのまま持ち去られる可能性もゼロではありません。
しつこく付きまとわれたら、はっきりと断る姿勢が必要です。日本人は遠慮しがちですが、台湾では明確に意思表示することが重要なのです。
困ったときは、近くのコンビニや店舗に入ると良いでしょう。店員さんに事情を話せば、助けてくれることが多いです。警察に通報してもらうこともできます。
台湾旅行中にできる具体的な防犯対策
1. 貴重品の持ち歩き方と保管方法
パスポートや多額の現金は、ホテルのセーフティボックスに預けるのが基本です。外出時に持ち歩く現金は、1日分の必要額だけにしましょう。
財布は2つに分けて持つと安心です。少額の現金を入れた普段使い用と、クレジットカードや予備の現金を入れた予備用です。
貴重品を入れるバッグは、ファスナー付きで体の前に持てるものが理想的です。ショルダーバッグなら斜めがけにして、常に手で押さえられる位置にキープしましょう。
セキュリティポーチを服の下に着けるのも効果的です。パスポートのコピーとクレジットカードを入れておけば、万が一のときも安心ですね。
スマホを後ろポケットに入れるのは絶対に避けてください。一瞬で抜き取られてしまいます。
2. 安全なタクシーの見分け方と配車アプリ活用
正規のタクシーは黄色い車体で、屋根にタクシー表示があります。車両番号も確認できるはずです。これらが揃っていないタクシーは利用しない方が良いでしょう。
配車アプリを使えば、より安全に移動できます。台湾でおすすめのアプリを紹介しておきます。
| アプリ名 | 特徴 |
|---|---|
| 台湾大車隊 | 現地最大手、日本語対応あり |
| Uber | 料金事前確定、評価システムあり |
| LINE TAXI | LINEアカウントで利用可能 |
乗車前に、車のナンバープレートとアプリの情報が一致しているか確認しましょう。乗車したら、アプリのルートを見ながら、正しい方向に進んでいるかチェックできます。
深夜の移動は特に配車アプリの利用がおすすめです。ドライバー情報が記録されているため、トラブルが起きにくいのです。
3. 夜間外出時に意識したい行動ルール
夜の外出は、できるだけ複数人で行動しましょう。一人の場合は、人通りの多い明るいエリアに限定するのが賢明です。
イヤホンで音楽を聴きながら歩くのは避けてください。周囲の状況に気づきにくくなり、危険が近づいていても反応が遅れてしまいます。
酔っぱらった状態での一人歩きは特に危険です。お酒を飲んだ後は、必ずタクシーで帰るようにしましょう。
夜間は写真撮影に夢中になりすぎないことも大切です。スマホを構えていると、狙われやすくなります。撮影する際は、周囲に不審な人がいないか確認してからにしましょう。
帰り道は、行きと同じルートを使うと安心です。初めて通る道は、昼間と夜では雰囲気が全く違うことがありますからね。
4. トラブル時の緊急連絡先と対応方法
もしものときのために、緊急連絡先は必ず控えておきましょう。
| 連絡先 | 電話番号 | 用途 |
|---|---|---|
| 警察 | 110 | 犯罪被害、トラブル |
| 消防・救急 | 119 | 火災、救急搬送 |
| 外国人専用ホットライン | 0800-024-111 | 日本語対応可能 |
| 台北駐日経済文化代表処 | +886-2-2713-8000 | パスポート紛失など |
犯罪被害に遭ったら、すぐに警察に通報しましょう。外国人専用ホットラインでは日本語対応が可能なので、中国語が話せなくても大丈夫です。
パスポートを紛失した場合は、まず警察で盗難・紛失証明書を発行してもらいます。その後、台北駐日経済文化代表処で渡航書の発給手続きを行います。
海外旅行保険には必ず加入しておきましょう。クレジットカード付帯の保険でも良いですが、補償内容は事前に確認しておくことが重要です。
スマホに緊急連絡先を登録するだけでなく、紙にメモして持ち歩くと安心です。スマホが盗まれたり、バッテリーが切れたりした場合にも対応できますからね。
まとめ
台湾は基本的に安全な旅行先ですが、日本ほど無防備に過ごせるわけではありません。特にスリや置き引き、交通事故には十分な注意が必要です。
大切なのは、適度な警戒心を持ちながら旅を楽しむことでしょう。貴重品の管理や夜間の行動に気をつければ、ほとんどのトラブルは避けられます。現地の人の優しさや美味しい食事、魅力的な観光地を存分に楽しんでください。
万が一のときは、一人で抱え込まず、警察や宿泊先のスタッフに相談しましょう。海外旅行保険も心強い味方になってくれます。しっかり準備して、素敵な台湾旅行にしてくださいね。
